カメラは普通単眼なので、奥行き感を表現するには、少しテクニックが必要になる。コスモスの咲く公園を例に、風景撮影において奥行き感を出す方法を紹介したい。特別の工夫が必要ということではなく、テクニックを知っていて、意識するだけ自然にできる。
【ポイント】 対角上の黄金分割点を流れで結ぶ
4つの黄金分割点※１を意識して、その対角線上の分割点に向かって流れを作る。画面を斜めに走るラインが奥行き感を表現してくれる。
【注 意 点】 一脚がほしい
手持ち撮影で、しっかりと構図を意識して撮るのは難しい。ただ三脚を狭い場所で開くのは難しい。一脚でカメラをある程度固定し、モニターには黄金分割点が分かるグリッドを表示させて、じっくりと撮りたい。
【共通条件】
天 候 ： 快 晴
撮 影 地： 北総花の丘公園 千葉県印西市原山1-12-1
機 材 ： EM-5 markⅢ， LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. /
POWER O.I.S. ，一脚，PLフィルター
条 件 ： 絞り優先モード(Ａ)，ISO 200，WB：晴れ
【作例解説】
＜例 340_1＞ 前景・中景・後景を意識する
まずは、オーソドックスに前景、中景、後景（背景）を意識して、奥行き感を出す方法から紹介する。この作例では、ピンク色のコスモスを前景に、芝生と（修景）池を中景、そして林と快晴の空を後景に撮ってみた。
＜撮影データ＞ 26mm相当 ，ｆ8.0，1／500秒
＜例 340_2＞ 左下から右上に
大きくカーブする園路に沿ってコスモスの植え込みがある※２。手前の白いコスモスを、左下の黄金分割点に配して（ぴったり合わせなくても問題ない）、コスモスの花の流れが、右上の黄金分割点を通るようにウエストレベルから切り取った。レンズは広角側で、思い切り寄ることがコツになる。
＜撮影データ＞ 24mm相当 ，ｆ5.6，1／1250秒
＜例 340_3＞ 右下から左上に
前例と同じ場所で後ろを向けば、今度は逆向きの絵柄になる。手前のピンク色のコスモスを右下配して、コスモスの花の流れが左上に進むような構図にする。広角側でぐっと寄るだけで迫力が出る※３。
＜撮影データ＞ 28mm相当 ，ｆ4.5，1／2000秒
※１ 黄金分割点 撮影技法 No.5 参照
※２ 大きなカーブの中間付近にベンチがあり、コスモスがいったん途切れる。ここが撮影
ポイントになる。
※３ 使用するレンズのピントの合う最短距離まで寄るつもりで迫ることがコツになる。
