植物園などでは、説明のプレートがあることが多い。まず、これを読んでから説明にあるような特徴を写真的に活かせるような工夫を考えたい。また、1種類の植物の前後で、プレートを撮影しておくと後で写真の整理がしやすくなる。
【 ポイント 】 厚みのある葉とシャープな花の対比
多肉植物の葉は水分などを多く蓄えているため、やや厚みがある。キリンソウでは、黄色でシャープな感じの花と厚みのある葉が良い感じの組み合わせになっている。この対比を活かしたい。
【注 意 点】 ローアングルに構えて横から
カメラの底が地面に着くくらいのローアングルに構えて、横から狙い葉の厚みを表現する。
【共通条件】
天 候 ： くもり／晴れ
撮 影 地 ：板橋区赤塚植物園 東京都板橋区赤塚5－17－14
機 材 ： COOLPIX P7700 28-200mm相当 ｆ2.0-4.0，LEDライト
条 件 ： 露出：絞り優先AE，ISO 80，WB：オート、手ぶれ補正oｎ
JPEG・RAW同時保存
【作例解説】
＜例 367_1 ＞ 説明のプレート
プレートには「麒麟草または黄輪草。北海道、本州、四国に分布する多年草。山地の岩の上などに生（は）え、小さな黄色の花を多数散房状（たすうさんぼうじょう）につける。ベンケイソウ科 花期5月～6月」とある。ベンケイソウ科の植物は多肉植物で、乾燥にも強く、厚い葉に水分や養分を蓄えるのが特徴だ。
＜撮影データ＞ 46mm相当，ｆ4.0、1／60秒
＜例 367_2 ＞ まず、上から
図鑑的な表現を考え、かたちの好い1株を真上から切り取った。楽な姿勢で撮ることが出来る。葉の厚みは上手く表現できない。
＜撮影データ＞ 42mm相当マクロモード，ｆ3.5、1／200秒，内蔵フラッシュ
M 1/64 ディフューザー、LEDライト
＜例 3１9_3 ＞ 開放絞りで横から
開放絞りで横から狙った。背後に１株を入れ奥行き感を出した。内蔵フラッシュは、マニュアルモードで光量を1／64まで絞ったが、まだ光が強すぎるので、
今回はoffにした。するとＷＢはオートで取っているが色調が違ってくる。そこで、RAWのファイルから＜例 367_4＞と同じになるよう色温度を調節した。
＜撮影データ＞ 31ｍｍ相当マクロモード，ｆ2.8、1/1000秒，-0.3EV、LED
ライト
＜例 367_4 ＞ １絞り絞る
内蔵フラッシュをOnにして、絞りを１つ絞って切り取った。ピント位置は一番手前の花のシベに合わせておいたが、手間取っている間にズレてやや後ピンになった。また、被写界深度を稼ぐため、もう一段絞った方が良さそうだ。原則的にピントは一番手前の花のシベに合わせたい。
＜撮影データ＞ 46ｍｍ相当マクロモード，ｆ3.5、1/320秒，-0.3EV、内蔵
フラッシュM 1/64 ディフューザー，LEDライト
| 撮影技法 No.367 キリンソウを撮る（その１） cf．５月下旬 |
