撮影技法 No.299 では、やや暗い小雨の日にユリの群落を撮ったので、明るいLEDライトが活躍してくれた。ところが快晴だとLEDライトではあまり役に立たない。そんな時は、外付けフラッシュを高速シンクロ（以下､FP発光）させれば、ほぼ同じことができる。フラシュの有無と効果を作例とともに紹介したい。

【 ポイント 】 ＦＰ発光対応のフラッシュを使いたい
　ＦＰ発光※１できるフラシュは、シャッター速度を気にせずに使用できる。

【注 意 点】　やや高価、光量が小さくなる
　FP発光対応のフラッシュは専用品が多く、やや高価になる。また、FP発光の時はガイドナンバー（GN）が小さくなる。

【共通条件】
天　 候 ：快 晴
撮 影 地： 東京都千代田区　日比谷公園　
機　 材 ： Panasonic DC-G99 ，25ｍｍ（50ｍｍ相当） f 1.7 ，G VARIO
　　　　　 14-140mm/F3.5-5.6 (28-280相当)，Panasonic DMW-FL360※２
条　 件 ： 露出：絞り優先オート，ISO 200，WB：オート、手ぶれ補正 oｎ，
　　　　　手持ち撮影

【作例解説】
＜例 336_1 ＞ コンペティション ノーフラッシュ
　すっくと立つユリ「コンペティション」を見つけ、そのままノーフラシュで切り取った。半逆光ということもあり、ユリに対して露出不足になった。プラスに露出補正すれば、ユリは明るくなるが、背景が白飛びしてしまう。
＜撮影データ＞ 38mm相当、ｆ5.6，1/400秒

＜例 336_2 ＞ コンペティション フラッシュｏｎ
　そこで、背景を少しアンダーにするために露出を－0.7EV補正した。さらにフラッシュをonにして発光モードを通常からFP発光に切り替えて切り取った。
コンペティションだけが明るく、質感も出てきた。
＜撮影データ＞ 38mm相当,ｆ4.5，1/800秒，-0.7EV，フラッシュon（-1EV）

＜例 336_3 ＞ プレミアムブロンド ノーフラッシュ
　群落からやや離れて、形の好いい「プレミアムブロンド」を見つけた。純白の花弁と蕊の赤い葯が特徴のユリだ。無補正のまま撮ると、花に対しては露出不足になる。ただ、背景はアンダー気味にボケて立体感もある。
＜撮影データ＞ 50mm相当，ｆ1.8，1/4000秒

＜例 336_4 ＞ プレミアムブロンド フラッシュｏｎ
　そこで、そのままの条件でフラッシュをFP発光させた。ただ、白いものを白く表現したいので、+1EVの補正をかけた。近景のユリだけが明るくなった。
＜撮影データ＞ 50mm相当，ｆ1.8，1/4000秒、フラッシュon（+1EV ）


　※１　普通のフォーカルプレーン（FP）の一眼カメラでも、全速でシンクロする。
　※２　機材紹介のコーナー参照

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